anemog and the City

あれも、これも。どこででも。

コワーキングスペースを使ってみた

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近年は正社員として働く我が身ですが、世の中では副業を促進する動きも活性化してきています。政府レベルでも「副業解禁促進に向けた官民意見交換会」が開催されたり、企業レベルでも、IT系の会社の他、ロート製薬や日産あたりが副業推進派として話題にのぼります。

 

確かに、収入源を一つに集中するという日本の雇用契約(とそれに従わざるを得ない文化的慣習)はいわゆる「大衆」の生き方·働き方には合致するところだとしても、それではどうもうまくいかない外部環境·社会環境になっているわけで、この流れは不可逆的に進みそうだな、と。

 

色んな職や環境を渡り歩いていきたい、という自分にとっては嬉しい追い風。(逆風を進む方がレア度が上がって自分の相対的価値が上がる、という理論もあるけれど、そこまで強くないので汗)

 

 

 

ということで、副業をするか否かはともかく、「収入源を増やす」という試みは進めて行きたいと思います。

 

実際にやっていることは、資産運用だったりブログだったり不用品売買だったりとフツーのことから手をつけていますが、今回は、そういった作業をするにあたっての「場所」の話。

 

都心の狭いマンションで子育て世帯をやっていると、どうしても家の「外」に作業場がほしくなる。普段はカフェで短期決戦型で作業してもよいのだけれど、たまーに半日作業に当てられる日がある、というとき、カフェだとどうもそんなに長時間いられないぞ、ということで、別の場所を探すことにしました。

 

そこで使い始めてみたのが、一時期話題になっていた「コワーキングスペース」と呼ばれる空間。

 

Wikiさんによると;

コワーキング(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。通常、在宅勤務を行う専門職従事者や起業家、フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多い。

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0

 

2010年前後?に話題になって雨後の筍のようにたくさん「コワーキングスペース始めました!」というリリースを見る時期が過ぎ、なんとなく自然淘汰が進んでいたのかなという印象があったけれど、果たして今検索しても、大量にヒットするというよりは、(都内では)大手チェーンがいくつか見られる+1店舗だけの個人事業的なものが4-5駅に一つ、くらいの印象。まぁ、その辺は「東京 コワーキングスペース」とかで検索すればすぐ出て来ます。

 

 

 

 

まぁ、そんな中ですが、とりあえず手近なところで二つほど見てきてみました。月額定額の会員制というところは外して、1時間からすぐに使えるドロップインOKの場所、で、例えばこんな二つ。

(注:正確な情報はそれぞれホームページから確認してね!あくまで(ほぼ)記憶と印象で書いています)

 

https://grinspace.jp/

grinspace.jp

御茶ノ水駅から秋葉原方面に歩いて5分くらい?の場所にある、GrinSpace

1日利用で1500円。あれ、新規会員登録で100円とあるけれど、払ったっけ まぁ、いずれにせよ、月額料金とかはかからない使い方が可能です。

オープンな感じのフリースペースに加えて、会議室もあり。GrinSpace一日利用の人は30500円で借りられるのは結構魅力。

平日に何度か訪れたところ、だいたい5-10名くらいが使っているくらいの印象。なのでほぼいつでも予約なしで使える。いや、でもこれだと逆に収益性大丈夫かなと不安になったけど。空間的には落ち着いた雰囲気でいい感じです。

 

 

https://co-forest.com/

co-forest.com

池袋駅東口から徒歩10分くらい。

1日利用で1800円。1ヶ月使い放題だと15,000/月。3階のオープンスペースと7階の会議室スペースあり。

オープンスペースはカフェみたいな雰囲気。こちらはGrinSpaceよりもユーザーが多いみたい。常連さん=月額会員も多そうで、全体的にフレンドリーな空気が漂っています。駅から若干遠いというデメリットを除けば、フツーに仕事に使いやすい場所。

 

 

 

以下、実際に両方使ってみて、比較というよりは全体的にこれらの「コワーキングスペース」から受けた印象ですが;

 

ユーザー層が幅広い!

  • 元々は、何となく20代独身男性IT系、というようなセグメントが使う場所だと思っていたけれど、実際に来てみると、もちろん20代前半がやや多めな印象だけれど、半数以上は30代以上。50代、60代と思しき人もチラホラ見えます。あと3割くらい女性。
  • ただし、職業的に幅広いかというとそこはそうでもなく、ときどきスーツ姿の営業職っぽいサラリーマンも入ってくる以外はどうもフリーランスの人たちに見えます。翻訳作業をしていたり、Affiliateっぽいことをしていたり、Web制作をしていたり。
  • このあたりは土地柄とか値段設定で変わるから一概には言えないけれど、これはコワーキングスペースのユーザーが(デモグラ的に)幅広い、というよりも、フリーランスで働く、あるいは小遣い稼ぎをする人たちの層が(デモグラ的に)幅広い、という解釈が正しいのかな。

 

 

「コワーキング」感のなさにびっくり

  • コワーキング、というコンセプトからは、そこに集まった(元々は)何の関係もない人たちが会話できたり、仲間を見つけられたりという、西海岸的なオープン感をもわっと想像しちゃいがちですが、誤解を恐れずに端的に言えば、「仕事のしやすいカフェ」です。空港のラウンジと言った方が近いかな。皆静かに黙々と作業。たまに見かける二人連れのミーティングテーブルを使っている人たちも、ひそひそ声で話す感じ。こんな場所で初対面の人に声をかけたら、ナンパだと思われて周りの皆から注目浴びます。
  • いや、この空間はこの空間でありがたいので(後述の意味で)、悪い意味で言っているわけではないのだけれど、ただ「コワーキング」ってどんな意味なんだろう。と考えさせられます。
  • 逆に「オープンさ」や「カジュアルさ」を備えた、「コワーキング感」のある空間ってどうやって作れるんだろう。例えば御茶ノ水GrinSpaceは入店時に借りるストラップが緑と青の二種類あって、一つは「話しかけないでね」ストラップ、もう一つは「話しかけていいよ」ストラップとなっていたり、店内に「すれ違いボード」という手書きメッセージを残せるボードがあったりと、出会いを誘発するような仕掛けもあったけれど、どうも機能している気がしない(当然ないより良いけど)。例えば誰でも気軽にプレゼンし始められるような仕掛けがあると良いのかな?会員同士が集まれるプラットフォーム(例えばfacebookのページでも)があって、そこでの施策がオフラインでも連動していると良いのかな?物理的な空間の作り方もポイントかも。
  • いずれにせよ日本で「コワーキング」を謳う空間全てが悩むポイントな気がします。うまく解決しているところもあると思うけどね。今回は2箇所しか体験できていないのでサンプル不足。でも都心で「コワーキング」で見つかる場所は、概ねこんな雰囲気だと思います。

 

 

2時間以上作業する上では快適

  • カフェでは2時間もいると「トイレ行きたい」「お腹減った」「さすがにもう一杯コーヒー頼まないと申し訳ない」「隣のお姉さんたちうるさい」「前に座ったあの人がイケメンすぎて集中できない」と言った悩みが生じてきますが、そうした悩みは無用なのはありがたい。PC置いてトイレに行くのも問題ないし、スタッフに声かけてちょっと外にお昼に、というのもあり。軽食を食べてる人もいる。何なら席で仮眠しても問題なさそう(しなかったけど)。そう考えると、カフェ以上、ネカフェ未満な緊張感と心地よさなのかな。
  • ただ、Skype会議や電話会議をこの場でやるのは難しいです。510分程度、小さな声で、であればOKですが、それを超える場合はちょっと外に出るとか、別途会議室を借りるとかが必要。

 

 

 

 

 

さて、ではこの「コワーキングスペース」という業態が今後どうなるのか。

 

サンプルたったの2件、定点的に見ているわけでもなく両方2-3回使ってみただけというのは業界全体のトレンドを語るには全く無謀なベースですが、とはいえ、副業やフリーランスが増えて行くという前提で捉えれば、それらの人たちにとって価値がある場所としては言えそうだなぁ、と。

 

ただ、その価値は「コワーキング」というコンセプトが体現されたことによる価値という気がしないのが残念なところ。実際、「コワーク」って必要なんだろうか?いわゆる「コワーキングスペース」は、物理的に同じ場所にいることによって生まれる新しい意味が求められる場合その意義がありそうだけど、この場所を使っている人たちを見ると、「コワーク」している人たちはPCの向こう側の人たち。クライアントであり、同僚であり、部下であり、ユーザーであり。

 

まぁ、「コワーキング」は、単に(自分みたいな新しもの好きを引き付けるための)集客ワードであって、実際の使われ方は違っても良いのよ、という考え方でもいいのだけれど。

 

 

 

 

 

 

超雑ですが、眠くなって来たので今日はここまで。